人間とは不思議な生き物だ
人間とは不思議な生き物だと思います。ある「きっかけ」とか「気付き」があると、劇的に変わることが出来るし、やる気も出てくるのです。自分だけで変わろうとするのはなかなか出来ないけれど、その「きっかけ」というのは必ずどこかからかやってくるし、誰にでもあるはずのものだと思うのです。 会社の組織を考える場合も同様なのですが、その「きっかけ」づくりにはリーダーの役割が大きい。部下をやる気集団にさせるにはリーダーは何を考えるべきか。これは部下を持つ営業マネジャーにとって最大のテーマといってよいでしょう。学歴がいいから仕事が出来るでもなく、内気で暗いから営業が出来ないでもありません。おしゃべりだから顧客に好かれるわけでもない。では、やる気とはどこから出てくるのでしょうか。
営業マネジャーのマネジメントに活用できるRPDCIという考え方を取り入れています。
- R review
振り返る=営業課・営業所全体、個々の部下の現在地(立ち位置) - R research
調べる=Reviewで見出した課題に関連した情報をリサーチ - P plan
戦略を立案する=課題を踏まえての解決の行動計画(OJT、面談、テーマを与える。R&Rがあるので、営業所、個々の部下のマネジメント計画を立てやすい - D do
行動する=計画に基づいてマネジメント行動をする(OJT、モチベーションアップなど - C check
評価する=日々の評出来栄えの評価、何がどこまでできたか、できなかったか、原因は? 現在地:立ち位置 - I innovation
Checkを踏まえて改善すべきこと、やめること、新たに創ることなどを具体化する。
経営とは、人を通じて物事を達成する業なり
経営学者P・F・ドラッカーの言葉に、「経営とは、人を通じて物事を達成する業なり」というのがあります。一人の人間ができること、可能性というものは非常に大きなものであることは言うまでもありません。だけど、人間の身はひとつです。がむしゃらに働いたとしても、一日は24時間しかありません。人間には大きな可能性があるにせよ、自ら限界があります。だから、付加価値を高めた仕事、成長していくには、多くの人、すなわち部下の力を充分に発揮させることが必要です。部下の潜在能力を充分に発揮させることで、大きな仕事も為せるわけです。
営業組織のミッション(役割・任務)を、会社のミッションを、部下を通じて果たすことが営業マネジャーの本来的な仕事といえます。上司である、あなたにとって部下とは、面倒を見なければいけない存在です。間違えても面倒な存在と思っては元も子もありません。部下は、あなた自身と仕事の価値を高めるための、かけがえのない存在なのです。また、部下を持つということで、大切なことは、上司は部下に幸せをもたらす存在であるということです。
上司を選ぶこと は出来ません
部下は会社を選べますが、上司を選ぶことは出来ません。営業マンというのは恐らく、自宅で家族と接する時間よりも、会社で上司や同僚と過ごす時間が多いはずです。従って、営業マンの幸せのほとんどは上司で決まるといって差し支えないと思います。
そういう大きな影響力と責任を持っていながら、部下の力を合わせて大きな仕事をするというマネジャーらしい仕事ができていない人もいます。それは名前ばかりの営業マネジャーの典型です。まして自分の営業のサポートを部下に求めているのは論外です。部下は上司の手足ではありません。部下一人ひとりの特徴、強みをつかみ、指示し、意欲を引き出し、能動的に行動させていくことで成果に結びつける、これが上司の仕事です。
営業マネジャーであるあなたは、部下の力を引き出し、成果に結びつけるのが仕事です。そういうことで部下のやる気も生まれてくるでしょう。部下は自分を幸せにしてくれる上司によってやる気をふくらませていくのです。