芽吹きの春

寒さが緩んだり、ぶり返したりしながら冬から春へと草木が芽吹いていく季節となりました。
私が毎朝、ウォーキングをする道筋に、か細い木があります。
力を込めて握るとポキッと折れてしまいそうな細い木です。
でも、そのか細い木はピンと背筋を伸ばしたかのように、真っ直ぐ空に向かって伸びています。
毎朝、そのか細い木の前を歩いているとき、私は心の中で声をかけてしまいます。
「頑張れ!空に向かって成長して大きな樹になって緑の葉をたくさんつけた樹になって!」
このか細い木を見るにつけ、もう直ぐ学窓を巣立ち、社会人1年生となってデビューする若者たちのことを連想します。
毎春、私はその新社会人となった新入社員の研修の講師を務めています。
彼ら、彼女らはこれまでの学生生活とは180度異なる生活の中で、社会に会社にそして周囲の人たちに役に立てる人になるべく、努力研鑽の毎日が始まります。
「こんなはずではなかった」
「こんなことも出来ない自分だったのか」
「社会は思っていた以上に厳しいものとは!」
「給料をもらうということは、これほど大変だとは!」
そう思うときが必ず起きます。

でも、そこでくじけず、あきらめず、前へ進んでいくしかないのです。
今は、直ぐに折れそうなか細い木かも知れないが、ピンと背筋を伸ばして、真っ直ぐ歩んできましょう。
強い風、雨、寒暖の繰り返しの中で、か細い新社会人の君たちは強くなり、成長し、世の中に役立つ人材になりましょう!

今、あなたは芽吹きの春を迎えたのです。