10月1日は内定式の日。
私は仕事柄、毎年この日は内定式に出席をしている。
振り返ると、内定式に出席するようになって、かれこれ10年以上になるので、最初に私が出席した内定式で緊張した顔つきで並んでいた学生たちは、30代の働き盛りの中堅社員になっているわけだ。
そして、その内定式でウェルカムスピーチをする社員は、未だ入社1年に満たない今春入社の新入社員だ。
今年もその入社半年の新入社員を代表してA君、B子さんがウェルカムスピーチをした。
2人の態度、表情、そして力のこもったスピーチは、一人前の社員のそれである。
半年前の幼い表情、言葉の彼、彼女ではなかった。
この半年間の成長を体感したA君、B子さんの姿だ。
そもそも内定式は、学生から社会人の入り口として行われている。
その目的は大きく3つが考えられる。
- 入社意識を高める
「内定通知書」をトップから手渡すことで、最終的に入社する意思を確認し、学生にとっても社長、役員が出席する内定式に出席することで、内定を得た実感と入社の意志を示す機会となる
- 会社理解を深める
会社トップの口から、事業理念や目指すものを直接聞くことで、会社への理解を深めることができる。
励ましの言葉を通じて、自分への期待を感じ、「よし、頑張るぞ!」というモチベーションが高まる。
- 会社と内定者、内定者同士のコミュニケーションの機会となる
内定者と会社側の人が直接顔を合わせる機会なので、特に内定式後の懇親会の席上でお酒も入ることでトップの人柄、社員とのコミュニケーションの貴重な機会となる。
同時に内定者同士のコミュニケーションが促進できるので、いい意味での「同期意識」の醸成につながる。
私は、人材育成の仕事をしていることで、毎年、入社2か月前に「内定者研修」を司っている。
その中身は別の機会に譲るとして、研修中に内定者の学生に内定式の感想を聞くようにしている。
すると、このような言葉がよく返ってくる。
1)内定したという「実感」が湧いた
曰く、「内定式会場の席に着いたとき、前後左右に同じ内定者が座っているのを見て、内定したという気持ちが強まった。」
曰く、「会社の人たちと顔を合わせないまま、入社式を迎えると不安だったけど、内定式に出て、嬉しさと共に安心感が高まり、帰路途中に「やる気」が高まっている自分がいた。」
曰く、「何と言っても緊張した。同時に今までにない感情、それも「俺も社会人になるんだ。これから俺の人生が始まるんだ!」という熱い気持ちが湧いてきた。」
2)同期との連帯感、仲間意識が芽生えた
曰く、「俺と一緒に仕事をする奴はこいつ等なんだ。」
曰く、「同じようなサークルにいた同期と出会い、これからが何だか楽しみになった。」
曰く、「内定者懇親会で同期と話ができたのが良かった。どんな人が同期なのか?とても気になっていたので、少し安心した。」
内定者同士の横のつながりを強くできたことで、それぞれのモチベーションアップに繋がったことが読み取れる。
- 会社への理解が深まった。
曰く、「社長と直接、話ができるとは思っていなかったので、社長自ら近寄って来られ、「大学ではどんなことに興味を持って取り組んだの?」と声をかけられ、ドギマギしながらもお話ができたことがとても嬉しかった。」
曰く、「ラッキーにも僕が希望している職種の偉い人と、その職種の仕事内容をエピソードを交えてお聞きするチャンスに恵まれた」
曰く、「製品つくりのこと、お客さまとの出会いのことなど、とても興味深い話を聞くことができた。」
会社と仕事に対する理解、共感を深め「この会社を選んで良かった」「入社した頑張りたい」
というよりポジティブな気持ちになったことが読み取れる。
そして、私自身も「来年は彼ら、彼女らと研修を通じて出会いが始まるのだ、というポジティブな気持ちになる内定式だ。
学生諸君、残る学生時代を大いに満喫してください。
そして元気に内定者研修で会いましょう!
私もブラシュアップして取り組みます。
改めて、内定おめでとう!