区切りの3月

わが国には1年の数え方には2つあります。
ひとつは、1月~12月までのカレンダー通りの1年です。
もうひとつは、年度と呼ばれる1年の数え方です。
皆さま、ご承知の4月~3月まで1年です。
国の予算も、計画もスタート4月であり、3月が最終月です。

学校も同様です。
4月が入学式であり、3月が終業式であり、卒業式です。
そして、弊社も含めて我が国の多くの企業の会計年度も同様です。
その意味でも官公庁、学校、企業にとって1年で最も忙しいのは、この3月から4月の2か月間ではないでしょうか。

先月、私はある企業の内定者研修を行いました。
4月からは新社会人となる内定者の方々は、学生から社会人への端境期の中、ある種の緊張感と不安感がない交ぜになっているようでした。
研修の合間にひとりの内定者にこんな質問をいたしました。

「率直な今の心境は?」
返ってきた言葉は、「自分が社会で通用するか、正直なところ不安でいっぱいです。大学時代は胸張って言える程、勉強はしていません。」
「年が明けてからその不安がドンドン膨らんできて、これはヤバいと思いながらも4月の入社式が段々と億劫になってきたんです。」
「そのときに、会社から内定者研修の案内が届いたのです。研修ってどんなことをやるのか、予想も立ちません。」
彼は、吐き出すように僕に語り出してくれました。

「自分の親父は普通のサラリーマンなので、聞いたんです。『親父さん、会社の研修ってどんなことをやるんのかなぁ?』、そしたら『学校の授業とは訳が違う、厳しいよ。先生はプロの講師だし、たるんでいるとガツンとやられるぞ!』。」
しまった!親父に聞かなければよかった、と正直、そう思ったのです。
「そうなんだ!で、その通りだったかな?」と、私。
「いえ、違いました。この研修で僕は実は元気が出てきたんです。何よりも同期の仲間たちと会えたことが嬉しいですね。彼らと共にこれから社会人をスタートさせるんだ、と思うと、
これまで何も見えなかったことで、不安が膨らんでいたことに気がついたんです。」
「だから、今は正直なところ、入社式が待ち遠しいんです。」
「そう、研修に参加してよかったね。」
「ハイ、ありがとうございます!」

話はこれだけです。

声をかけた内定者の彼にとって、区切りの月になったようです。
卒業式を終え、4月の入社式後に始まる新入社員研修で再会することが楽しみになりました。

三寒四温の繰り返しの中、春本番が近付いています。